ワーケーションという言葉をご存じでしょうか。“ワーク”と“バケーション”を組み合わせた造語で、仕事をしながら休暇を楽しむ新しいスタイルの働き方です。熱海市では、ワーケーションで地域を盛り上げようと取り組んでいます。
日本有数の景勝地「錦ヶ浦」。この絶景を楽しめるホテルの中に「オフィス」が完成しました。相模湾を一望できるレストランを改装したのです。
<赤尾宣長社長>「昨年からコロナの対応で非常にホテル業の方も苦戦はしているが、そういった中で新しいビジネスに取り組んでいきたいという模索の中でこういった出会いがあった」
<三菱地所営業企画部 田村可奈主事>「希少な立地ですね。熱海市の中でも有数の眺望が目の前に広がる中でお仕事ができる空間、波の音を聞きながらゆったりと仕事ができる空間ていうのはなかなかない」
熱海市のリゾートホテルと東京の大手不動産会社が手を組んだこのプロジェクト。ワーケーションが新たなビジネスチャンスにつながると睨んでいます。プロジェクターや通信環境が整い、内装も地元のデザイナーが手掛け、おしゃれな空間が広がります。企業の研修や会議で活用してもらいたいとしています。
この取り組みが広がる背景にあるのは新型コロナの影響です。熱海市内の宿泊客数は東日本大震災の後徐々に回復し、この10年で安定したものの、去年は前年度に比べて40%のマイナスとなりました。
<熱海市観光経済課 遠藤浩一室長>「(旅館・ホテルの)大きな会議室等はコロナ禍において利用が少なくなってきた、であればワーケーション・リモートワークができる環境を整えたいという街中の声もありまして」
熱海市ではワーケーションに取り組む事業者に、最大1000万円の補助金を出すなど受け入れに積極的です。
<株式会社未来創造部 枝廣淳子社長>「もともとは美術館らしい。約10年使われていない」
こちらの会社は熱海市の補助を受け、半年前から空き店舗を改装したオフィスの貸し出しを始めました。
<株式会社未来創造部 枝廣淳子社長>「私自身が熱海が大好きで移住したものですから、熱海に来たら仕事も進むし、海に遊びに行けてプライベートも充実しているのでワークとライフを楽しめることを多くの人に味わってほしいなと思って」
<利用者>「普段オフィスで案外集まることはない。環境を変えて、普段話せない突っ込んだ話をする場に良い」
この日は、ワーケーションのプログラムの一環で干物作りを体験しました。普段はパソコンに向き合っているビジネスマンが手にしたのは、地元のアジです。
<利用者>「リモートワークができるので、都心にいなくても全くいいんですよ。そうした時に、色々な体験をしながら昼間は働くと面白いかな」
<株式会社未来創造部 枝廣淳子社長>「いま日本全体を見ても、ワーケーションやリモートワークも競争みたいになっていて、どの街もうちに来てくださいという感じになっていて。一番大事なのは、地元の人が『うちの街はこれがいいんですよ』とか『こんなこと楽しめますよ』ってお誘いできること」
新しい生活様式が求められる時代。どんなアイテムで応えられるかがカギになりそうです。
#オレンジ6 5月25日放送