衆院選しずおか 疲弊する観光地から見た選挙

静岡

今回の衆院選に有権者はどんなことを期待しているいるのでしょうか。新型コロナや土石流被害の影響で観光客が激減した熱海市の声を取材しました。

 10月23日土曜日、熱海市では久々の花火大会が開かれ、街は大勢の人で活気づきました。緊急事態宣言の解除をきっかけに、イベントも徐々に再開しはじめています。
 <客>「日常が戻りつつある」
 しかし、人の流れを止めた新型コロナウイルスは、観光の街に大きな影響を与えました。
 <熱海温泉ホテル旅館協同組合 森田金清理事>「この2年間の間にはっきりしていることは、我々観光業が一番大きな被害をこうむったと思っています。これは熱海だけの問題ではなく日本中の観光地ですけども、大きな被害をこうむった」
 10月27日の熱海市の会見でも、観光客の落ち込みが数字で明らかになりました。夏の書き入れ時、2021年8月の市内の温泉施設を利用した人の数は14万人。2年前に比べて、約20万人の減少となりました。
 <熱海温泉ホテル旅館協同組合 森田金清理事>「やはりこの観光地の経済を回すというのは、外貨獲得、いわゆるお客様が来ていただいてなんぼ。まず宿泊していただく、宿泊していただいて、お昼ご飯を食べる、また、夜、外に出てお酒を飲む、それによってお肉屋さん、酒屋さん、お魚屋さん、そういった二次産業は潤ってくる」
 観光地の住民は政治に何を期待しているのでしょうか。
 <住民>「もう何十年と我々は政治改革を期待していたのに、いつも裏切られた気がして失望している」「地元の人が本当に大事に思っていること、今やってほしいということをもうちょっと聞いてほしい」
 観光の町、熱海市の人口は3万5千人。そのうちの約半数が観光業関連の仕事に就いています。従業員約30人が働くこちらのホテル。緊急事態宣言で休業期間もありましたが、雇用を守りながら、客のニーズの変化に対応してきました。
 <ホテルニューとみよし女将 富岡和美さん>「居酒屋をつぶして個室のお食事処を作ってカラオケの部屋も模様替えしてお食事処にしちゃったんです。安心して召し上がれる個室があるということなのでご予約もいただきました」
 個室や風呂など改装費用は約1500万円。補助金などを活用しながら集客対策に取り組んでいます。
 <ホテルニューとみよし女将 富岡和美さん>「熱海が良くなるために政治家の人たちがこういうことがしてみたいんだけど協力してもらえませんかとかどんどんオファーがあるといいなと思いますね」
 コロナ禍の観光地をどう守るのか、地元のニーズと意欲を汲んでくれる政治が求められています。

10月28日 SBSテレビ「ORANGE」放送
#オレンジ6