【静岡豪雨】「夢のつり橋と大鉄がダメだと本当に痛手」台風被害で書き入れ時直前 “観光の町”静岡・川根本町がピンチ

静岡

台風15号は秋の観光シーズンを迎える静岡県内にも大きな打撃を与えました。これから多くの人でにぎわうはずだった“観光の町”川根本町がいまピンチを迎えています。

<山口駿平記者>
「大井川鉄道千頭駅です。全線運休となっているため、駅前に人の姿はほとんど見えません」

普段なら多くの観光客でにぎわう川根本町の玄関口は静まり返っていました。台風15号による記録的豪雨の影響で大井川鉄道が大きな被害を受けたからです。

沿線の採石場から大量の土砂が流れ込み、線路を覆いました。現在も復旧のめどが立っていません。この状況に町の観光関係者も頭を抱えます。

<川根本町まちづくり観光協会 土屋和明事務局長>
「大井川鉄道は観光鉄道の要素が強いということもあって、この周辺の商店はみんなこんな感じで閑散としているんですよね。従業員の給料を払っていくことさえ難しくなるような現状がある」

被害は、これだけではありません。川根本町自慢の観光地「夢のつり橋」。紅葉スポットとしても人気のこの場所へと続く道が大雨の影響で崩落し、いまは遠くから眺めることしかできません。これに困ったのがつり橋近くにある寸又峡温泉です。

<翠紅苑 大村昭彦副支配人>
「9月28日現在の数字になりますけども、当館としてキャンセルの件数が339。10月11月にかけての予約状況も低調、低調といった感じですね」

人気旅館「翠紅苑」でも、台風以降予約のキャンセルが相次いでいるといいます。

<翠紅苑 大村昭彦副支配人>
「奥大井地区は寸又峡の夢のつり橋、それから、寸又峡の温泉そのもの、それから大井川鉄道のあぷとライン、その中のふたつの要素がダメということになってしまいますと、ちょっと本当に観光的には痛手かなと」

これからの紅葉シーズンは、まさに書き入れ時。旅館でも観光客をつなぎ止めようと躍起です。

<翠紅苑 大村昭彦副支配人>
「(当館は)台風の影響による被害、温泉の被害、建物の被害は全くございません。通常通りの営業をさせて頂いてますのでぜひお車を使って頂いてご来館いただければ」

観光協会も知恵を絞ります。

<川根本町まちづくり観光協会 土屋和明事務局長>
「二輪車を乗る方をターゲットにした『KAWANEBASE』といったイベントを企画したり、ぜひとも応援という意味も含めて川根本町に来ていただければ」

客足が途絶えることは、観光地にとってはまさに死活問題。一日も早い大鉄の復旧が待たれます。

#LIVEしずおか 10月4日放送